認知症を支える・母の正常圧水頭症・シャント術に付き添って気づいたこと

最近の認知症治療はかなり進んでいて、原因を突き止めさえすれば症状が改善されるとテレビで観たことがありましたが、まさか自分の母がそれに該当したとは、夢にも思いませんでした。

今回のブログは、手術当日と術後に経験した葛藤と、それをどう乗り越えたかについて書きます。

シャント手術前の説明

今回の母の病名は「突発性正常圧水頭症」。脳室で創られた脳脊髄液が正常な人の5倍溜まっていて、それにより一昨年ごろから歩行障害、頻尿、老人性ウツ症状、認知機能の低下が起っていました。

正常圧水頭症は現在原因が定かではないようで、こうしたら防げる予防措置みたいなものは明らかにされていません。

ご家族の似た様な症状でお悩みの方、大きな病院で診てもらうこともご健闘してみてはいかがでしょうか?

治療法は、「腰部くも膜下腔・腹腔シャント術」といい、脳脊髄液を腰椎にチューブとバルブをいれてバイパスを通して腹腔内に液を流し、腹腔内で吸収させるのが手術の目的です。

腹腔鏡手術なので傷口は2センチ、4センチほどと小さめ。脳に穴をあけるわけではないので患者の負担も少な目なものです。

しかし、危険性もあります。

術中・術後に血管が傷ついて出血をしてしまうケース。
頭痛・片麻痺が起こったら、再手術。

腸に穴をあけるから、腹腔内感染から脳に感染してしまうケース。
合併症等があると説明されました。

一番の発生しやすいリスク
術後の生活が寝たきりの場合、シャント機能不全(チューブが詰まるなど)が起り、症状が改善しなかったり、一旦改善した症状が悪化してしまうこともあるとのこと。 

術後、いかに水分をちゃんと取らせて、なるべく上体を起こした生活が出来るかにより、手術が無駄になることがあるらしいです。

術前の母の暮らしぶり、入院中は寝たきりと、退院後に老々介護を支える私のサポートレベルが上がりました。

しかし、この手術を受けることにより、今後も暮しが母に取ってより良いものになればと、リスクを覚悟で手術に臨みました。 
  

 

手術当日を迎える

11月2日が手術日でした。母が心配し過ぎないように明るいトーンで、「脳にお水が溜まる病気だからね、たまらないようにする手術をするんだって。

でもね、そんなに痛くないみたいだからね、心配しないでね。」と言ってみました。

母は、「歳とったらね、自然がいいの。自然が一番なの。色々いじらなくていいんだよ。」と最初は言っていました。

しかし、看護婦さんや私と父の励ましで腹をくくり、「んで行ってくるから」と、手術室まで父と腕を組んで歩いて行きました。

手術室へ向かう母に付き添う父。

手術室へ向かう母に付き添う父。

母は看護師さん達に「いってらっしゃい!がんばってくださいね!」と励まされ、手をふる余裕がありました。

ICUまで送り、私と父はデイルームで待機をしました。

ユマニチュード実践 病室で待つ父

暇つぶしに持っていった「ぼけない生き方」という本を熟読する父

術後の葛藤

ユマニチュード実践 母を見舞う

術後の母を励ます父。無事成功して安堵。

術後、全身麻酔から覚めて意識が若干混濁しつつも会話が出来るようになった母を見舞いました。

認知症の為、自分が何の理由でどこを手術したのか覚えられない母は、「なんでこんな痛い思いをしないといけないの?どうせ間もなく死ぬんだから、静かに楽になりたい・・」と愚痴をこぼしました。20分くらい続いたでしょうか・・・
 
若干予想はしていたけれども、結構しつこいし、興奮させたらまずいので、しばし頷いて「そうかそうか」と聴き続けました。ちょっと落ち着いてきたので、「お母さん、本当によくがんばったね・・・痛かったね。辛いね、もう2,3日の辛抱だからね。

頭に水が溜まっていた病気でね、水をお腹に流す手術だったの。安静にして落ち着いたら元気に歩けるようになるからね。」と励ましました。

認知症患者の手術は、本人の意志ではなく家族の決断が必要です。今回の同意書のサインは全部私名義でした。無事成功したから良い様なものの、手術を理解できない母の心のサポートは容易ではないなぁと感じました。
 

今回伝えたかったことのまとめ

  • 認知症には症状改善が期待できるものもある。歩き方が前のめりでチョコチョコ歩く、頻尿の傾向がある等、兆候が診られる場合は、医師に相談をして脳神経外科の受診もしてみてくださいね。
  • 今回入院した東京共済病院は術例が日本1です。リハビリ科併設で術後のケアも万全でおススメです。
  • 家族が「死にたい」と口にするとビックリしますね。一旦思いを丸ごと受け止めて聴いてあげる。
    落ち着いたら肯定の声掛けと、前向きなイメージを持つ勇気づけをすると、本人だけでなく自分も少し気持ちが前向きになれますよ。

認知症を支える・母の正常圧水頭症・シャント術に付き添って気づいたこと” に対して 3 件のコメントがあります

  1. まゆはき より:

    お母様、偉かったですね、頑張りましたね
    その後、いかがお過ごしですか?
    諸症状は改善されましたか?

    実は、父が明後日、シャント手術を受けます。
    認知症状や、足の動き、尿失禁が改善されればと願っています。

    手術してどこまで改善されるのか
    しようのないしんぱいばかりしております。

    情報がいただけたら幸いです。

    1. hometatsuderako より:

      まゆはきさん、コメントをいただきありがとうございます。
      お父様、今日手術ですね。手術の決断、勇気が必要だったことと思います。

      うちの母の場合、シャント術後に足のふらつき、頻尿は改善されました。
      もともとアルツハイマー型認知症だったので、短期記憶は大きく改善はされませんが、
      シャント術後は運動機能が改善されました。それによって、生きる意欲が戻ってきたのかもしれません。

      リハビリを病院で行い、在宅に戻った後は、なるべく電動ベッドの背もたれを立てて
      起きるようにしました。病院ではなく家に戻ったあとの環境になれるまでは、本人が戸惑うかもしれないので
      受け入れてあげてください。

      以前は行きたがらなかったデイサービスも、入院中にケアマネージャーさんを変更、新設のデイサービス利用を開始。
      うまく効果を表しており、週2回利用だったのですが、今週から週3回に増やせました。

      昨年から1年、親に対してどのように接してきて、どういう効果があったかを「ほめ介護」というテーマで12月9日にミニセミナーをしました。
      それについても追ってブログに書きます。なんらかのヒントになれば幸いです。

      1. まゆはき より:

        セミナーもなさっているのですね。
        東京ですか?

        父は22日に退院することになりたした。
        病院から自宅に環境が変わると、やはりだいぶ戸惑うでしょう。
        以前はそれで、家に帰るといって徘徊して、外で保護されて帰ってきたこともあり、このまま、認知の症状が続けば、ケアマネさんに、老人保健施設の24時間見ていただける施設の方が、危険がないのではないかと、進められています

        老人保健施設は、よい話をききませんので、避けたいのですが、
        致し方ない状態になるかもしれないと思うと、選択肢に入れておくしかないかとも思っています、

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