試練からのギフト⑥父の決断に寄り添う

家族の人生の終末期に差し掛かった時、最後の日々をどう過ごしてもらい、どのように旅立ってもらうか・・・。

家族としてどこまで協力できるのかという現実と直面しています。

今回のテーマは「父の決断に寄り添う」。

左腹部に出来た大きな腫瘍からの出血(腹水1リットル)、それをどう治療するか・・・。

何もしなければ失血死のリスク。早急の判断を迫られる。

最後まで自分らしく生きるための治療をするために、なるべく患者である本人の意思を尊重しつつ、身体の負担にならない選択が出来るようにどうアシストしたかについて書きました。

突然起こる家族の入院に際して事前に知っておいて欲しい!と感じたことを『試練からのギフト』シリーズ(単発読み切り)としてまとめています。

これまでの内容はコチラ↓
試練からのギフト①父の入院
試練からのギフト②救急医との面談。延命治療の意思確認
試練からのギフト③父の病状説明と特養からの受け入れ拒否
試練からのギフト④母、まさかの病院も入院拒否!?
試練からのギフト⑤父の治療拒否

担当医からの電話

9月4日の朝8時半ぐらいに、父の担当医F先生から電話が入った。

F先生「朝早くにすみません。昨夜あれからお父様落ち着かれまして、本日より輸血をさせていただいております。」

デラコ「そうでしたか!?それは良かったです。昨日は色々とご迷惑をおかけしました。」

F先生「あれから外科の先生などと画像CTを再度見直しまして、腫瘍の位置が小腸付近ではないのでは?ということでして、小腸内内視鏡検査はしない方向で行こうと思うのです。

選択肢としては外科手術により腫瘍を摘出、または放射線科による血管塞栓術になります。腹腔内出血が続いているため危険な状況です。できれば週末をはさむ前に治療を進められたらと思います。

今後の治療について外科医の先生も含めてオペをするかしないか、しない場合の代替案についてカンファレンスしたいのですが来れますか?」と言われた。

私はすべての予定をキャンセルしてフリーにしていたので、11時にアポイントを取り病院に向かった。

父の病室に行くと輸血されていた。(アイキャッチ画像の写真が輸血時の様子です)

デラコ「お父さん、大変だったね。がんばったね。」と声をかける。

父「ごめんな~。迷惑かけて・・・」

デラコ「いいの。いいの。病院嫌いなんだし、よくがんばってるよ。今後の治療について先生のお話聞きにきたの。代わりに聞いてくるね。任せてね。」と説明した。

父「わがった。頼む。」と言ってもらった。

外科医とのカンファレンス

消化器内科で担当医のF先生と外科のI先生とカンファレンスルームでミーティングをした。

I先生「CTを解析してみた所、お父様の腫瘍はおそらく小腸ではなくて大網(だいもう:胃の下側から下方へエプロンのように腸の前に垂れ下がった腹膜)付近に出来ているんじゃないかなぁと推測されるんです。

おそらく悪性のものではないと思いますが・・・お腹を開けてみれば確実なんですけれども、腫瘍がかなり大きいのでね、オペをするとなると長期入院が必要となります。

術後しばらく絶対安静なので、かなり筋力が落ちてしまいますので寝たきりのリスクが生じます

もう一つの方法として、放射線科の先生による血管塞栓術という治療法があります。腫瘍につながる血管を何ヵ所か止めて腫瘍に栄養を行かないようにすることで退縮を目指すという治療です。

しかし腫瘍は残るわけですので、対処療法的な処置になります。」と、説明しながら簡単に図を描いてくれた。

デラコ「とても分かりやすいですね。これだったら父も理解できそうな予感がします。」

F先生「看護師に連れてきてもらって一緒に同席してもらいましょうか?」と、輸血中の父を車いすで運んできてもらう。

デラコ「お父さん大丈夫?来てくれてありがとう。今後の治療についてなんだけどね、分かりやすかったから呼んでもらったの。一緒に説明を聞いて一緒に決めましょう。」と言ったらうなずいてくれた。

上記に書いた内容を父に再度説明してもらい、

デラコ「お父さん、腫瘍を取る手術をするとねお腹きらないとならないから1か月ぐらい入院しないとダメなんだって。そうなると寝たきりになっちゃう危険があるんだって。血管を止める方だと、身体にそれほど負担かからないみたいだけど腫瘍は残るらしい。どっちにする?」

と、本人に聞いてみた。

父「高齢者だから、もう手術でおなかを切るとかはしたくないので、負担の少ない方でお願いしたい。」と言ってくれたので、血管塞栓術を選択し、その日の夕方にオペできることに。

寄り添いの考察:主体性を尊重するということ

今回のオペの選択において、アドラー心理学の学びとファシリテーター経験が活かされた。

ファシリテーターとは、色々な情報を引き出し合意へと促す人

オペを受けるのは父本人。父が選択しやすいように医療提供側からの情報を引き出し、父の意思を尊重し決断に寄り添う。

ここで大事にしたのは、父には判断する力があるんだと父を信じること。

アドラー心理学を学ぶ前の私ならば、認知症の初期症状が現れはじめた父に代わって自分が治療方針を決めなければならないと思ったかもしれない。それは他者の課題自分のものにしている状況になってしまう。

アドラー心理学の課題の分離で大事なのは、先ず一旦課題は本来誰のものなのか?を整理してから、それを共通の課題にするプロセス。

そして、オペをする父本人の主体性を尊重する。

そうるすことで、本人も自分も後悔しない選択に近づけることができるのではないだろうか?と判断した。

外科オペ、血管塞栓術にはそれぞれメリット・デメリットがある。

オペを受けるのは父自身。

父が最後まで自分らしく生きるために何が最適か一緒に決めることが出来て本当に良かったと思う。

続く・・・

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