認知症を支える・改善のカギは諦めないこと②正常圧水頭症の発見!
皆様は認知症というと、どういうイメージをお持ちですか? 今の所は特効薬がなく、徐々に記憶や人としての尊厳が失われる怖い病気のイメージもあるかもしれません。今回のブログは、家族の薬との向き合い方、今回の入院で発覚した正常圧水頭症について書きます。
本ブログは、ほめ達!カウンセラー・デラコが
心と身体の免疫を上げる生き方を研究・実践して、経験から気づいたことを、
全ての方に、全て伝える”すべすべプロジェクト”です。
減薬の重要性に目覚めたきっかけ
2007年か8年ぐらいに、母は十二指腸潰瘍の貧血で入院した事があり、その時の検査で大腸がんが発覚しました。長期で入院していた影響から”せん妄”という症状が現れました。
せん妄とは意識障害が起こり、頭が混乱した状態になっている事をいいます。何らかの原因で脳の機能が低下し、上手く神経を伝える事が出来なくなっています。幻覚を見る事もありますし、言葉をかけても落ち着く事が出来ず、興奮状態となって大声を出したり、暴力が見られる場合もあり、対応が難しく家族の負担になりやすいものです。また、夜になるとせん妄が出る「夜間せん妄」というものもあります。
引用元 認知症ねっと
その当時、私は通信社勤務で部下を持ちながら地方行脚をするプレイングマネージャー。父からSOSが来ると週末だけ片道5時間かけて宮城県気仙沼の実家に帰っておりました。母だけなく、パニックになる父への対応も難しかったです。カウンセリング、健康についての知識の必要性はこのころに培われたのだと思います。認知症・介護者へのサポートの本を読みはじめました。
母は今から20年くらい前に祖母が亡くなって介護から解放された途端に自律神経失調症に見舞われ、不眠と疼痛に苦しみ、眠剤のハルシオン、痛みどめとしてデパスを数年吞んでいました。
悩んでいた時に近所のファミマで九割の病気は自分で治せるという文庫を手に取りました。その本にデパスとハルシオンの飲み合わせは”せん妄”が起こると書いてあったのです。当時の母のかかりつけの胃腸科から心療内科へ切り替え、薬を変更してもらい”せん妄”症状は落ち着きました。薬の知識を持つことが家族を守る、救うのだとこの時に学びました。
正常圧水頭症の疑い
8月の入院で担当したI先生は、長期入院になると認知症状に影響が出るのを考慮して心療内科の先生にも協力を仰いでくれました。この連携がきっかけで脳の画像診断をすることになりました。母の歩行の様子、頻尿の傾向が正常圧水頭症の症状に似ているため、検査をしてみないか?と9月29日に打診されたのです。母のQOL(生活の質)向上のチャンスと思い、父に説明し検査を実施していただきました。
正常圧水頭症とは(NPH)
頭の中では、毎日脳脊髄液というものが作られています。脳脊髄液は、頭の中を巡りやがて吸収されます。この脳脊髄液が異常に頭に溜まってしまう事で、障害を起こす病気を水頭症といいます。正常圧水頭症は薬だけでは治す事は出来ませんが、手術で治療が可能とされています。とはいえ、手術に適した時期を過ぎてしまうと、手術を行っても症状の改善が大きく期待出来ない場合があります。そのため、出来るだけ早くに受診をする事が重要です。
手術によって歩行障害は、9割近い改善が見られているようです。認知症の症状や失禁などに対しては、人によって様々で、5~6割程度と言われる場合もありますが、時間をかけて徐々に認知症の症状が改善されたケースもありますので、退院してすぐ改善していなくても、諦めないでください。
引用元:認知症ねっと
主な症状として、歩行がすり足になる、集中力・意欲が低下する、尿の回数が増え何度もトイレに行ったり、尿失禁をしたりします。
うちの母にもこれらの傾向があり、以前3年程通っていたメンタルクリニックには頻尿や、ふらつきは訴えていたのですが、精密検査まで至りませんでした。専門家でも発見しづらいものなのかもしれません。今回の入院は本当にラッキーだったと今は思います。
10月3日に画像診断の結果聴きに、脳神経外科に行きました。予約はしていたけれど、急患対応中とのことで入院中の我らは1時間以上待ったかな?そういうことも起こりますね。私は本を読んだり、瞑想をしたり、父に新聞を読ませたりして待ちました。心地よく待つスキルも育って来ました。ふふふ。
脳神経外科の先生は元院長先生で、正常圧水頭症治療の名医だと後で知りました。画像診断の結果、脳脊髄液の量が人の5倍溜まっていたそうです。抜いてみないと分からないけれど、歩き方の改善とオシッコの回数が減るかもしれないと言われました。腎臓内科の先生が事前に必要な検査を済ませてデータ共有もされていました。
先生がPCにデータを入力するアシスタントの方に指示を出しながら、「Iのことだから写真もあるだろうな、すばらしい」「いらない検査はしなくていいや」「良く見つけてくれたなーコレ」とつぶやきました。私は様子を見ながら、8月の再入院は正解だったと安堵しました。
「脳に溜まった水の影響で脳室が37%拡大しています。30%拡大すると通常お水を脊髄から一時的に抜くタップテストを行って、4日から6日ぐらい経過観察をして様子を見て、運動機能・認知機能が改善されたら、腹腔シャント術という脳脊髄液を腰椎から腹腔内に流し、腹腔内で吸収を図る手術が出来るけれど、やってみますか?」と訊かれました。
効果が出るか出ないかは、やってみないと分からないそうで、いちかばちかです。その決定権は私に委ねられました。「(入院中に減薬をしていて)メマリー、レミニール、ビオスリーの三種類しか吞んでないから、明日にでもできますよ。タップテストの水抜きは局部麻酔をして抜き終るまで30分ぐらい。」と言われ、 「せっかくの機会なのでやります。」と応え、翌日テストをすることにしました。 つづく
まとめ
- 親・家族が高齢の場合は、薬だけでなく言動、歩き方、尿の頻度、眠れるか?など日常的に把握しておくと、何かあった時の変化に気づきやすくなります。声掛けをしてあげるだけでも、「興味関心を持ってくれてるんだなぁ」と喜ばれるかも。離れて暮らす方は、電話をしてみては?かける方も、もらった方もハッピーホルモンのオキシトシンが出るみたいですよ!
- 認知症の症状として正常圧水頭症の疑いが考えられる場合は、大きな病院を紹介してもらいましょう。母が入院する東京共済病院は正常圧水頭症のシャント術の治療件数全国1位でした。各科のデータの共有、ドクター同志の連携もされている印象を受けます。おすすめです。