新型コロナウイルス対策の影響によるフレイル(虚弱)と高齢者の入院リスクについて

新型コロナ対策の「外出を控えましょう」という指示をこの2年の間に遵守したことにより、知らず知らずのうちにフレイル(虚弱)が進行している可能性があります。フレイルが進むと、体の回復力や抵抗力が低下し、感染症にかかるリスクが高まり、重症化しやすい傾向にあると言われています。

ほめ達カウンセラー・デラコこと小野寺美和でございます。「ほめ達」「勇気づけ」「ほめ介護」をテーマにセミナーや研修を提供するワークショップデザイナーとして、個性を生かして尊敬しあえる環境づくりをサポートしております。東日本大震災がきっかけで両親が上京、介護歴11年になります。

今回は「新型コロナウイルス対策の影響によるフレイル(虚弱)と高齢者の入院リスクについて」まとめました。

80代を超えた両親の入院を何度かサポートして、長期入院により筋力や認知の低下を目の当たりにしてきました。「可能ならば入院しないにこしたことはない」「過度な検査や治療は患者に苦痛を強いる」と実感しております。長期入院で筋力や認知が低下した親の退院後の状態を維持しつつ、在宅である程度自立して過ごせることを目指して回復へ向けてどのようにサポートするか…色々悩みました。 介護も医療もプロではない私が手探りの中で見つけた、高齢の家族をサポートする上で大切なことをお伝えいたします。現在介護に奮闘している方や高齢の家族がいる方のヒントになれば幸いです。

新型コロナ対策によるフレイル(虚弱)

フレイル(虚弱)という言葉を初めて目にする方もいらっしゃるかもしれません。フレイルとは、加齢により心と身体の活力が低下した「健康」と「要介護」の中間の状態をいいます。今新たな問題としてコロナフレイルが増えているそうです。

コロナフレイル

コロナ禍で体を動かさない、食事が偏る、人との会話が減る…こんな生活が続き身体や認知機能に影響が出る。その結果、介護が必要な一歩手前の状態「フレイル(frail)」《脆弱な、虚弱な》と呼ばれる状態に陥りかねない。いま、こうした「コロナフレイル」の高齢者が増加している実態が明らかになってきている。 NHKニュース コロナフレイル~高齢者を襲う第二の禍より

コロナに罹らない、重症化、及び寝たきりを防ぐためには先ずフレイルを予防し、免疫力の維持が必要です。天気の良い時は散歩を心がける(転倒を防ぐために杖やキャリーカートも使うと安心です)、三密を避けてマスクを外して新鮮な空気で呼吸を整える、たまに人と会話をする(家族はこまめに電話などをする)などを積極的にすることでフレイルを防ぎ、免疫力を維持することが期待できます。

高齢者が一度フレイル状態になってしまうと、身体能力や認知機能が著しく低下し、その結果死亡率が高くなると言われています。ストレスに対する耐性なども低下しているため、心身にダメージを受けやすく、回復力が弱くなっているケースもあります。 また、免疫や身体能力が弱っていることから他の病気に罹患しやすくなり入院が長期化することもあります。(私の母がそうでした)

高齢者の方は自分自身の体調不安だけではなく、周りの友人たちの変化(病気や訃報)、及びメディアの報道等により、危機感を強く持つことは自然の反応だと思います。私たちは彼らに対して不安を感じさせない配慮安心させる声掛け等を心がける必要性を感じております。

高齢者の健康における最大のリスクは「入院」

入院により身体機能・認知機能の低下する「入院関連機能障害」が起こりやすくなります。フレイル(虚弱)の高齢者にとって、入院に伴う環境変化は心身共にダメージが大きく、せん妄や認知機能の低下が生じることがあります。

せん妄とは、環境の変化や身体の不調などが原因で一時的な意識障害や認知機能の低下が起こることを言います。 せん妄きっかけになりやすいのは、突然の入院術後など生活や環境の急激な変化安静を強いられるようなストレスがかかったケースです。

高齢者は点滴を抜いたりするので、安全確保のために身体拘束の同意書にサインする必要があります。拘束による不安や恐怖、薬による鎮静をされた際に意識がもうろうとして時間や場所の認識が出来なくなり、幻覚や興奮といった症状が出ることもあります。(うちの父がそうなりました)一般の総合病院に入院している方の 20~30%にみられる症状で、大半は身体の回復に伴って改善します。一時的に脳の機能低下が起こり、意識障害をきたしている状態のため、改善されていく点が認知症と異なります。

入院による点滴や検査の際の治療のストレスにより、身体や認知の機能低下が急激に進んでしまう可能性が出てきます。長時間寝たきりによる床ずれ、筋力や体力の低下による歩行困難、転倒しやすくなり骨折などのおそれがあります。

ほかにも、脳への刺激が減って認知機能が低下する、内臓の消化・吸収機能が落ちることで低栄養に陥るなど、長期入院によってさまざまなリスクが発生するため、高齢者の安易な入院は、かえって健康状態の悪化を招いてしまうのです。(私の母も低栄養になりました。)

人間は1週間寝たきり状態になると15%の筋力が低下し、3~5週間で50%もの筋力が落ちるといわれています。在宅医療のパイオニア佐々木淳医師によりますと、フレイルの高齢者は 10日間の入院で 7年分の筋肉を失うこともあるそうです。一度失った筋肉や認知の低下を取り戻すのは容易ではありません。1日でもはやく退
院できるよう、入院時に病院の医療スタッフと退院目標を共有するとともに、病院のソーシャルワーカーさんやケアマネージャーさんと相談しながら在宅復帰の準備を同時進行で進めていく必要があります。

新型コロナの場合、当初は発症から14日間、最近は10日間かつ軽快から72時間と決められていましたが、厚生労働省は2月8日、新型コロナウイルス患者の入院期間を4日間に短縮可能とする新たな目安を示したようです。フレイルの高齢者は 10日間の入院で 7年分の筋肉を失うリスクがあるため、短縮は喜ばしいことだと個人的には思いますが、退院後の急変というケースもあります。

うちの母はコロナで入院後10日間で退院した直後に容態が悪くなり同日再入院、検査により脱水による高ナトリウム血症が発覚、入院中の抗ウイルス薬の影響で腸内バランスが悪化によりクロストリジウム感染症を併発して入院期間が4週間になってしまいました。

その経緯をもとに次のテーマは「延命治療、家族としての決断」をテーマに書こうと思っています。

今回のコロナで入院したことをきっかけに「生きているだけでいい。あるがままで十分に尊いのだ」という存在価値に改めて気づくことが出来ました。母91歳、父90歳、退院後にどこまで回復できるかは分かりませんが、両親が天寿を全うするまで穏やかに寄り添っていきたいと思います。

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