家族の心肺蘇生の意思:突然の入院の前に決めておくべきこと

皆さんは家族が急病で救急搬送された時、「容態急変時に心肺蘇生を希望しますか?」または「延命治療を希望しますか?」と訊かれたら、心の準備はできていますか? 実は入院時の治療開始の前に必ず答える必要があります。しかも即答を迫られます。
皆さんは、もしも今突然、質問されたらどう答えますか? 

難しいですよね。突然ごめんなさいね。しかし、コロナ禍の今だからこそ、高齢の家族がいらっしゃる方は特に、事前に家族間で合意を得ておくことを心からお勧めします。

介護のピンチってある日突然やってくるんですよね。 本当困っちゃいます・・・

ほめ達カウンセラー・デラコこと小野寺美和です。普段このブログではコミュニケーションのヒントをお伝えしています。

東日本大震災で両親が被災して80歳で上京して10年。時々親の介護を通して困難に遭遇した際にどう乗り越えたか、その時の心構えなど「介護のヒント」をお伝えしています。

2022年1月半ばに両親が相次いでコロナ発症・入院に伴い現在病院と施設の方との間に入って、両親の尊厳を守り、心身の負担をなるべく軽くするために交渉・調整に奮闘中です。

この経験を記録しておくことで、このブログを読んで下さった方が困った時のヒントになれば幸いです。

事前に知識・知恵を持つことは心のセイフティネットを形成します。「そうか、こうすればいいんだな。」
という術をいくつか知っておくことで、落ち着いて対処できるかもしれません。

今回のブログは、
家族の心肺蘇生の意思:突然の入院の前に決めておくべきこと」について。うちの両親のケースをふまえて書きます。読み手の方にとっては、もしかしたらちょっとショッキングな内容かもしれませんが、とても大事なことなので勇気を出してまとめますね。 しんどいなと感じたら、無理しないでくださいね。

心肺蘇生をするか、しないか

1月18日の夜、親の付き添いで病院に同行された施設の方からの電話で「病院から容態急変の時の心肺蘇生はおこないますか?と聞かれているのですがいかがでしょうか・・・?」と聞かれました。

それに対して私は、
デラ「高齢(90歳)だし、本人の負担になるのでやらなくて結構です。」と即答しました。

「やれることは全部やってください。」と言うべきと思っている方からしたら、冷たいと思われるかもしれませんね。

皆さんはDNARという言葉を聞いたことありますか?

Do Not Attempt Resuscitationの略で、蘇生(Resuscitation)を試みない(Do Not Attempt)ということを意味し、具体的には心停止しても心肺蘇生を行わないことを指します。

心肺蘇生とは心臓マッサージや人工呼吸、心臓に対する電気ショック、心拍再開のための薬剤投与を行うことです。心臓が停止する前の病状が進んで呼吸がうまくできなくなったときにする(口から管をいれての)機械での人工呼吸をしないことも広い意味でDNARに含まれます。  引用元: DNARを知っておこう〜「心肺蘇生をしない」という選択肢〜

若くて健康な方の場合は時間の経過と共に回復する可能性は高いです。

しかし、高齢者や抗がん剤治療などをうけている方は骨がもろくなっているので、心臓マッサージにより肋骨が折れてしまうそうです。 蘇生行為を終えた体は、心臓マッサージや電気ショック、人工呼吸を行った後でもあり、痛々しく冷たくなってしまった体で家族と対面することになるそうです。

コロナによる治療で点滴、尿管、症状により人工呼吸器の装着をしてきた両親。治療とはいえ、身体的苦痛が伴う処置でもあります。

私は兄が2人いるのですが、蘇生は行わない旨を合意しています。

私があまりにも答えるのに躊躇しないため、医師の方に「医療関係の方ですか?」と聞かれました。ははは。

デラ「以前入院を何回かしているので、家族の間で話し合って決めております。」と伝えたら、

医師「素晴らしい!だいたいもめるので助かります。」とお礼を言われました。

まとめ:重要な決断だからこそ、ご本人の意思や自分の意思を家族に伝えあう。そうする事で最期の時をなるべくご本人もご家族も、苦痛や心的負担が少し軽減できると思います。

次回は、高齢者の入院リスクと尊厳をテーマに書こうと思います。

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