試練からのギフト④母、まさかの病院も入院拒否!?
ニュースやドラマなどで、患者がたらい回しで危険な目にあうというのを見聞きしたことはあったけれど、まさか自分の母がそんな目に合うとは・・・。
人生には思いがけないことが起こるものですね。
突然起こる家族の入院に際して事前に知っておいて欲しい!と感じたことを『試練からのギフト』シリーズ(単発読み切り)としてまとめています。
これまでの内容はコチラ↓
試練からのギフト①父の入院
試練からのギフト②救急医との面談。延命治療の意思確認
試練からのギフト③父の病状説明と特養からの受け入れ拒否
母の下血について
母は震災前に大腸がんのオペをしている。十二指腸潰瘍からの出血で気仙沼の病院に入院した際に発覚、仙台の病院で小さなポリープを切除。寛解したはずだった。
今年に入ってヘルパーさんや訪問看護師さんから、大きなお便りの際に鮮血が混じっていると報告を何度か受けていたし、私も目にしたことがある。
訪問診療のK先生にその旨を伝え、ミヤBMという整腸剤を処方してもらってしばらく収まっていたが、父の入院や特養にショートステイという環境の変化によるストレスのためか?9月3日の朝に大量出血したようだ。
精密検査ができない・・・
母は処置室で点滴を受けながら起きていて、「私はなんでここにいるの?これは何?」と戸惑っていた。
そこに兄も合流、担当医からの説明を受ける。
担当医「今の所治まっているようで、出血は見られませんね。なんだったんでしょうね?」
デラコ「10年ぐらい前に大腸がんのオペをやっています。」
担当医「ちょっとね、認知症の患者さんだと検査が難しいんですよね。もしかしたら痔の可能性もありますが、肛門に指を入れるのあの様子だと無理ですよね?」
通常このようなケースの場合、入院をして大腸内視鏡検査をするものだと思っていたので検索してみた。
大腸内視鏡検査とは
洗浄液(下剤)1リットルを1時間かけて飲用してもらい、その後500ミリリットルのお水(またはお茶・麦茶(糖分なし)・紅茶(糖分なし)でも可能)を飲用していただきトイレに通って頂きます。 腸管内がきれいになったら検査開始になります。洗浄液は便を洗い流す作用がありますので、下痢の時の排便と同様の状態です。にごった便が薄い黄色、または透明になりましたら検査可能です。
引用元 大腸内視鏡検査(CF)ってどんな検査?より
これは確かに、認知症を患う高齢者には困難だと言われてもしかたがない・・・。恐らく大量の下剤を飲んでくれないだろうし、その後の500ミリですらハードルが高い。
デラコ「特養が原因を特定して治療しないと受け入れられないというんです。そばでなだめますので、痔に関して念のため調べていただけませんでしょうか?」とお願いしてみたらやってくれることに。
デラコ「お母さん、あのね。今日おしりから血が出たみたいでね。ちょっと調べてもらってもいいですか?」とゆっくり優しく尋ねてみた。
母「いいですよ。」と応じてくれた。
ゆっくり優しく尋ね、本人の意思を尊重してみてから、「ご協力ありがとう。」と伝える。
ほめ介護のスキルは現場で役に立ってくれた。
応じてくれたものの、「いたーい、やめて~」と絶叫して暴れたので、4人がかりぐらいでしばし抑えて対応。
処置室の人前で肛〇をいじられたら、私でも暴れたくなる。かわいそうなことをした。
結果、出血は認められなかった。
点滴をしながら「おしっこに行きたい」と何度もトイレに行きたがった。
看護師さんに「オムツとズボンに便がついていました。着替えはありますか?」と聞かれ、特養から持たせてもらった袋に入っているものを持ってトイレに連れていき着替えさせた。特養が貸してくれたズボンはLL,よりによってゴムが切れていた。背に腹は代えられぬ、抑えながら歩いてもらうことに。踏んだりけったり気分。
担当医から、「この様子だと入院は難しいですね。」と言われる。
デラコ「検査や治療をしないと特養が引き取ってくれないのでどうしましょう・・・」と言ったら、
担当医「じゃあ僕が連絡してみますよ。」と言ってくれた!
おー、ありがたい!と思っていたところもつかの間・・・
担当医「もう決定事項だから受け入れられませんと言われてしまいました。」
デラコ「ちょっとケアマネージャーさんに相談してみます。」
ケアマネージャーのTさんに電話をしてみたら、「お断りしたのに色々な所に手を回しましたね。決定したものは変えられませんよ。って言われちゃったんです。僕の対応が悪かったですね。申し訳ない・・・」
デラコ「いや~色々ご尽力してくださってますから気にしないでください。ということは、連れて帰るしかないということですよね?」
ケアマネージャー「すみません。また明日受け入れてくれる病院聞いてみますので、今晩はお願いします。」
と言われてしまった。
ベットの上で歌を歌う母。見た目は元気そう。
覚悟を決めて連れて帰ることに。
続く・・・